この記事では、樋口一葉の小説『琴の音』のあらすじと感想、そして解説を書いています。人の道を外れてしまった男が、少女の琴の音により更生するという物語になっています。
樋口一葉『琴の音』の概要と作品背景
いわゆる樋口一葉の「奇跡の期間」の初期の頃に作成された作品です。
盗賊に成り下がってしまった少年が、真人間に更生するという物語で、その更生の象徴ともなっている「琴の音」が小説の題名となっています。
この『琴の音』が書かれた時代には貧困層の非行問題とその更生が社会問題となっており、そうした時代背景を映した作品となっています。
樋口一葉『琴の音』の人物相関図
『琴の音』の主要登場人物は二人です。
孤児となり、子供の頃から泥棒扱いをされている金吾。
そして屋敷でひたすら琴を弾き続ける、しづです。
樋口一葉『琴の音』のあらすじ
渡辺金吾という14歳の少年が主人公です。
父親はうだつの上がらない男であったため、それを見限った母親の実家に母は引き取られます。金吾が4歳の時のことでした。
父親と乞食と同じような生活をしていましたが、その父親とも死別、孤児となってしまいます。生きていくために泥棒扱いされた金吾は、ついには本物の盗賊となって追われる身となります。
屋敷に住む森江しづは、結婚などの俗世の出来事には無関心であり、ただ琴を弾く日々を過ごしている。
ある時金吾はその琴の音に魅了され、聞き入るうちに改心していく。
『琴の音』をより深く味わうには
以上で『琴の音』の感想は終わりです。
樋口一葉の人生や時代背景について知ることができれば、『琴の音』もより深く理解できるようになると思います。別途記事にしていますのでご参照よろしくおねがいします。